園長先生の声

子ども達の成長を見守りながら保育士の先生達をとりまとめ、今尚、保育現場の一線で頑張っておられる園長先生にマイクを向けてみました。

よくあるトラブルや最近の問題点、今後の保育士のあり方などについて、園長先生という立場を踏まえたご自身の経験を基に、思いのままの意見を語っていただきました。

現役の保育士さんやこれから保育士を目指そうとする方、ブランクがある復職希望の保育士さんなど、是非ご参考にして下さい!

みどり園保育所施設長:内田 浩子

保護者への対応について
問題が起きてからというより、普段の関わり方が大事。保護者は子どものことをちゃんと見てくれているかということを気にされるので、降園時におしめが濡れていたりするだけでも「子供をちゃんと見てくれてないんじゃないか」と不信感を感じます。 普段は保育に対して一生懸命でも降園時などの些細なことで信頼関係が崩れてしまうことを職員には話をしています。何かあった時は職員が勝手に判断せず、園長への報告相談を徹底させ、保護者へも隠さずに正直に伝えるようにしています。
先輩、後輩や職員同士の人間関係について
幼児・乳児にクラスは別れますが、園の子ども達は職員みんなで育てようってことを、職員全員に常に言っています。しかし、職員にも個性がありますし、力の強い弱いの関係は微妙ですけど生まれてきますので、職員の雰囲気や様子がおかしいと感じたら直接呼んで話しを聞いたりしています。 休憩時間なども他クラスの先生と一緒に休憩をとって欲しいけど、幼児クラスなどは書き物も多いですし子ども達が寝ている間の休憩なので、職員同士の時間の共有はなかなか難しいようです。でも、出来るだけ職員同士の一緒の時間を作りたいと思います。
ブランクの保育士さんへ
園によって全然違うので一概には言えませんが、あえて挙げるとすれば柔軟性でしょうか。 それなりの年齢層の職員は若い職員には無い良さがあるので大事な存在だと思います。もちろん逆のこともいえます。保護者への対応などでも、ゆったりとした気持ちの持ちようが素晴らしいですね。 色んな年齢層の職員が園にいる方が子どもにとってもプラスなので、ブランクの保育士さんは是非とも復帰されて下さい。
これからの保育士さんへ
仕事的にはハードな部分もあるので、保育士のなりても少ないと聞いています。それでも子どもが好きで保育士を目指すなら、自分の生い立ちや学生時代の経験など全てが仕事に繋がるので、勉強もアルバイトも今のうちに色んな経験をして欲しいと思います。

神楽保育園園長:倉本 洋子

保護者への対応について
クレームについては色々あると思いますが、一人の保育士に向けてのクレームは、そういう保育士を雇用している園側の責任でもあるので、園の方針を保護者に逐一説明したうえで関わっていかないと、全ての責任を保育士に丸投げするわけにはいきません。ほとんどの親御さんが言ってくるのは自分の子どもへの対応不足を不満に思って言ってこられます。担当の保育士との間で十分なコミュニケーションを取っていればクレームに発展しなかったのにっていうケースがほとんどです。 保育は上手だけど保護者対応が苦手の先生がいますが、逆に保護者対応が上手ければしっかりと保育も出来ているかといえば、必ずしもそうではない。上辺だけの保護者対応は結局メッキが剥がれるけども、お子さんにこうあって欲しい、お母さんにもこういう協力をして欲しいということを、飾らずに言える保育士の先生は立派だと思います。子ども養護や教育の視点で考えると、言い辛いことでも伝えるべきは伝えないといけませんが、お母さんとコミュニケーションがとれていないまま言うと、お母さんもカチンとくることが多々あります。 お母さんとのコミュニケーションについて注意すべきは、お母さんごとに苦手意識を持ってはダメということ。お母さんも何気に送迎に来ているようで先生の行動もみているから、この先生はいつもこのお母さんとは長話するのに…、みたいなものはあると思います。ですのであまり特定のお母さんとだけ長話ししないようにということは注意しています。そうしたことも踏まえて伝えるべき所はしっかりと伝えていきたいですし、そのうえで園側としても目の前のことだけが上手く通り過ぎたらいいのではなく、子ども達が10年、20年先の大人になることを見据えて保育教育をしていくことが必要だと思います。
これからの保育士さんへ
うちの園の保育士さんには、少なくとも5年はこの仕事を続けなさいといっています。5年続けると自分の中で保育感というものが出来てきますし、そうなれば結婚退職後に復帰する際も役立ちます。薬やパソコンはどんどん進化してブランクがあるとついていくのは厳しいですが、この仕事は違います。昔と比べると確かに保育の仕方は変わってきていますが、その時の保育の状況や親の意識の持ちようというのはちょっと調べたら見えてもきます。あとは、何でもいいので習い事など自分の時間を持って欲しいですね。料理や生け花やダンスなど、一見保育には無関係のように思えますが、生け花でしたら花材ごとに花の名前を覚えたりデザインすることも覚えれる。料理だったら旬の食材を覚えてそれを食育として子どもにおろすことも出来ます。保育士しか知らないというよりも、かけ離れたことをすることでこの仕事に幅を持てることがたくさんあります。

五風会保育園園長:土金 新治

保護者への対応について
場馴れという意味では学生時代のアルバイトによる社会経験などで、既に身につけている方は新人の職員でも確かにおられます。あと、子どもは正直ですから、好き・嫌いがハッキリしていますし、先生に気持ちが入っていなかったらすぐ保護者へ伝わるので技術だけではダメだと思います。保護者からのクレームで揉める場合、そこに至るまでに蓄積されたものがあるので、保護者がその時に言ってる言葉だけを真に受けて対処すると解決は難しいですね。だから普段からの子どもへの接し方が大切なので、そこを一生懸命になるように職員には話をしています。
ブランクの保育士さんへ
保育の仕方について、100園あれば100通りってぐらい全然違うんです。特に10年程前とでは全然違います。最初に覚えたことは根強いので、今と昔のギャップでしんどくなってしまったり。以前までの当園は職員教育用のマニュアルがなく、見て学んで下さいっていう感じだったんですが、今と昔のやり方があまりに違うので、現在では職員とのミーティングを細かくとりながらマニュアル化の努力をしています。 とにかく子持ちの先生は凄い力で、0~2歳児位の保護者の方がよく言われるのが、子持ちの先生が居たら喋りやすいって言いますね。クレームではなくて、「ここどうなってるんやろ?」ていうのも保育園側には言いにくくても、子どもがいる先生だけになら言いやすいし相談もしやすいみたいです。そういう意味でも、当園で働いてくれているパートの先生は無くてはならない存在です。
これからの保育士さんへ
現在、学校の先生が校長先生の評価以外に保護者の評価が入ってきていますが、その流れは保育園にも来ると思います。保育園は教育が無いということを40年程言われてきているように、文科省が持っている教育カリキュラムの意識が幼稚園の先生に比べると保育士は低いように思います。ですから、今後は幼稚園教諭の免許も併せ持つこともいいのではないでしょうか。あと、私達は医者じゃないですけど、子ども達に何かあった場合、病院へ連れて行くか保護者に来てもらうかを判断しなくてはなりません。私達が分かるのは機嫌と顔色だけなので、そういう意味で看護知識を持っている人は強いですね。